四半世紀に渡り活躍したビルの顔となるエントランスとミーティングルームを設計した私は、この藤田建装の本館が完成する前の1990年に入社し、本社ビルの設計と現場管理に携わった。その後、藤田建装は上海に自社の木工工場を立ち上げ、高いクオリティの木工製品を自社で生産出来る迄に成長した。このデザインコンセプトは、その木工家具工場のショールームの役割と、本館の四半世紀に渡る歴史を伝えることだった。壁面の積層の波型のデザインはこれまでの歴史を表現しつつ、木工家具の塗装サンプルとして取り外し可能にした。竣工当時の石張りや、当時の塩ビタイルを剥がした土間を残し、少しでも歴史が感じられるデザインとした。